Life is "Gold dust"! はじめまして♪外資PRの経験を活かし、現在フリーランス。Branding, PR, Designを中心に活動させて頂く。神楽坂在住。出逢えた素敵な場所、ひと、もの、想い。などなどを綴ります

さよならMadeleine Gely

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はじめてパリに行ったときのお話。

何気なくお散歩していたら、強烈に惹きつけられるお店があった。

おそらく"老舗"ということばがしっくりくる品格のあるお店。
上品でいて職人的な、気品溢れる・・・古き良き傘の専門店といえばいいのだろうか。

そこでParasol(日傘)を作っていただくことにした。

"素材は天然の綿、絹、麻で
 色はEcru(エクリュ)。
 ハンドルはこれまた天然の木そのままで。
 レースが上品に配されたもの。内側は艶消しのゴールドを骨に。"

出来上がった日傘はわたしの日傘への夢をすべて叶えてくれた理想どおりの1本。

陽射しのある日、旅行先でも
太陽と一緒の日はその日傘のお陰でいつも気持ちが華やいだ。
容姿のみならず、とても丈夫で、一生ものだと思っていた。

先日、旅先で素晴らしく幸せな1日に、その日傘が手元から離れた。
その後何日も貴地に赴き、町を探し歩いたけど・・・見つけられなかった。

あまりに存在感の大きすぎるものだった。
最高に大好きすぎる日傘だった。

当時、パリでの食費を削って、十数万円かけて作っていただいた渾身の1本。
もう一度同じお店で、同じようなものを作っていただけたら・・・と。

お店の名前も忘れてしまっていたけれど、
日傘の内側についていたクラシカルなラベルだけはしっかり覚えていた。

あの日傘を作ってくださったお店を探すため、
フランス・パリにある、とある老舗傘店に電話。

失礼なお伺いですが・・・と付け加え
ラベルの特徴を伝え、
このお店を探していること&以前オーダーメイドした日傘の特徴を伝える。

電話口の男性は最初、
"私たちのお店はパリで一番の品質を保つ傘店です。
 お客様の仰るとおりの日傘を、その失くされた日傘を再現してお作りいたします。"
・・・との一点張り。

それでもわたしは、
"どうしても白地にクラシカルな緑の文字で書かれたラベルの、あのお店を探したいのです。
 あの日傘を作ってくださったお店を探したいのです。"

熱く訴えた。

すると・・・しばらくしてから男性の態度が一変。

"あなたの日傘を作ったのはまさにMadeleine Gelyだよ。
 ラベルもあなたが言ったとおりのものだ。でも残念ながら彼女は2年前に亡くなったんだ。
 あなたがオーダーしたテイストのものは・・・確かにMadeleine Gelyだからできた作品だ。" と。

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Madeleine Gelyさん、
2年前に天国に旅立たれていたのですね。

あの素晴らしい日傘とのお別れと、
それが故に知った彼女の死。

こころからご冥福をお祈りします。

そしてあの日傘・・・ありがとう。

ひとのいのちも、ものとのご縁も永遠ではないこと。
いまの私に教えてくれた1本の大切すぎる日傘とのお別れでした。

■Memo

Madeleine Gely

パリ、サンジェルマン地区の中心にある1834年創設の伝統ある老舗の傘店。
2002年に高級傘メーカーAlexandra Sojfer(アレクサンドラ ソジュフェール)に店の手綱が渡され、現在そのアトリエが隣接されています。
Madeleine Gely氏亡き後、Madeleine Gely氏のブランドは無くなってしまったそうですが、お店はそのまま残されているようです。

Access: Metro 12 Rue du Bac
Address 218,boulevard saint Germain 75007
Tel 01・42・22・17・02

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by adorable_mk | 2012-06-22 23:17 | 彩る